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TOMIX JR E233-3000系近郊電車(増備型) TOMIX JR Suburban Train Series E233-3000 (Enhanced Deployment Version)

2013年にTOMIXから発売されたJR E233-3000系近郊電車(増備型)。これを見ていく。

※今回製品、筆者の所有品が旧製品であるため一部異なる部分もあると思われますがご了承を。なお筆者調べでは塗装や付属インレタ及び行先表示器以外には違いはないため、今回のレビュー内容がそのまま当てはまると思われる。

セット構成

筆者の所有品である旧製品の基本編成が基本セット3両+増結セットA5両+B2両、現行品は基本セット4両+増結セット6両で、セット構成が異なる。付属編成は旧製品、現行品ともども基本セット5両である。

現行品、旧製品共に15両がブックケース二つに収まる。グリーン車は旧製品ではウレタンに加工が必要だったが現行品ではしっかり入るようになっている。

全体表現

かなりリアルな顔立ちと相変わらず安定感のない銀色が特徴。台車は専用のTR255/DT71で(通勤型はヨーダンパなし、E531系は製品化なし)、取り付け車輪は黒色車輪となっている。

追記 現行品では銀塗装が見直され、安定感が増している。

乗務員室扉付近寄ってみる。扉にはドアノブ、手すりのモールドがあり、床下の梯子はスペースの関係で省略。ちなみに後述するが、運転室内部にはハンドル、コンソール、椅子のモールドがあり(通常はコンソールのみ)、オフセット衝撃吸収構造の影響で運転室内部が広い影響か。

後位側。1、5、6、10、11号車に存在するトイレは窓なし造形で表現。ちなみに床下に汚物処理装置はない。

TOMIX製品には基本的に車番・号車番号等の印刷表現はなく、このE233系3000番台においてもそうである。基本セットA(品番92462)に印刷済みの車番と合わせる場合、NT1(現E-03)編成となる。

全体的な雰囲気は良いと言える。銀色が浮いていたり、車番等の印刷がなかったりと、TOMIX製品の特徴がよく表れていると思う。

塗装・印刷類

今回製品では、塗装されているところは極端に少なく、帯ですら印刷表現で済ませている。

黒塗装、窓横の白塗装はいいと個人的には思う(画像がさっきの使い回しなのは触れないでくだs((殴)。窓ガラスの黒は、JRマーク等書いてある場所は外側に、その上の運番表示器があるところや前照灯と尾灯、種別行先表示器があるところは内側にそれぞれ印刷表現されている。

帯の色は安定感もあり非常に良いと思えるがいかんせん剥がれやすいのが気になる。

↑実際に帯が剥がれている場所の図

ドア付近には、0番台に引き続き半自動ドアボタンが表現されているが、文字に関しては完全に判読不可能である(もはや表現されているかどうか…)。

側面窓にはフレーム(?)が印刷で表現されている。

また使い回しで申し訳ないが、ワイパーへの印刷はなく、全てモールドで表現している模様。

本製品に付属のインレタ。筆者の所有品が旧製品のため編成番号はNT1/NT51,NT10/NT60,L02/D02,L01/D04編成が収録されており、上野東京ライン開業後の編成には残念ながら対応していない。なおこれらの編成は現在のE-03/E-53,E-12/E-62,U618/U218,E-17/U220編成である。

屋根上・パンタグラフ

今回製品では、屋根上ビートがグリーン車を除き新津製車両特徴の太めのビートになっている。

普通車では太めで計15本の少なめなビートで表現されている。

実車はグリーン車のみ製造箇所が異なるため、4,5号車のみ通常の細いビートで表現されており、ここは実車通りである。

パンタグラフはお馴染みPS33Dで、シンプルな形の避雷器が特徴だと思う。

灯火類・ギミック

今回製品の灯火類には少々不満はあるものの、全体的にはE233系の特徴を捉えているといえる。

前照灯はビシッと点灯しており、光漏れも少ないが、組み合わせ精度の問題で調整しないと少々下で点灯してしまうこともザラである

尾灯点灯時は明るい箇所でもわかってしまうほどに光が漏れていて、今回製品で最も残念だったところだ。遠目に上から見れば目立たないので大した問題ではないのも事実だけど。

今回製品のギミックと言えるようなギミックが先頭車間の連結くらいしかないが、伸縮式カプラーらしく連結間隔は相当狭くなっている。

内部表現

内部表現は主に3種類。普通車のトレーラー車は、セミクロスシートかロングシートかで作り分けられている。動力車は2両ともロングシート車であり、内部はフラットである。何のテクスチャもない車内で真っ平らな床面は少々違和感がある。G車は1階、2階で成形色が異なり、見た目には相当効いている。

先述の通り、今回製品では運転室内部がオフセット衝撃吸収構造の影響で広いため、運転席とコンソールが表現されている。流石にモニタ表現はないが、ハンドル表現はあり、マスコンはフルノッチ(?)である。その右側のハンドルのようなものは、いわゆる掴み棒であり、左手操作型のワンハンドルに特有の装備である。

床下表現

今回製品の床下表現は通勤型の流用で、なおかつ台車マウント型のアーノルドカプラーを装備していることも相まって、間違っている箇所や表現のないところが多い。

  その最たる例がこの二つである。VVVFは実車は日立製のSC-90/98だがこれの造形は通勤型で採用されている三菱製SC-85でありエラーとなっている。また汚物処理装置に関しても台車マウント型のアーノルドカプラーの影響で非表現となっている。もはや床下流用が十八番であり、最も床下にルーズなメーカーと言ってよいだろう。

総評

今回製品は、人気の出そうな車両でありながらTOMIXのの本気は感じられなかった。N情報室にてあれやこれや言っていた割に正直期待外れだったところもある。だがあの造形精度やユーザーが手を加えられる余地のある状態での製品化はTOMIXにしかできず、そういう意味では非常に良い製品ともいえるだろう。実車は上野東京ライン開業以後、E231系1000番台との併結運転も実施されており、設計等様々なところの異なる形式が併結して共に運用をこなしている姿はかっこいいとしか言いようがない。余裕があればE231系の方も入手してレビューを書こうと思う。

国府津辰之助/横コツ

鉄道系YouTuber。主に迷列車、ゆっくり茶番、ゆっくり実況等を投稿している。2020年5月ごろから活動。
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